リスティング広告分析の基礎と改善方法を徹底解説
- 「リスティング広告の運用をしているけど、なかなか成果がでない…」
- 「成果はでてないけど、何が原因かわからない。」
- 「そもそも正しい分析と改善の方法を知らない…」
リスティング広告の運用においてこのようなお悩みはありませんか?
このような悩みを後回しにしたまま”なんとなく”の分析をしていると、広告の費用対効果を悪化させてしまうのは明確です。
実際にあなたが体調を悪くして病院に行った状況を思い浮かべてください。
お医者さんが、あなたの体調不良の原因を解明できないまま処置を行うと、症状は悪化する可能性が高いですよね?
同じように、成果が出ていない広告に対して、なんとなくの分析をしていると正しい打ち手も見えてこないため、改善することはありません。
また、現状成果がでていたとしてもなんとなくの運用では、すぐに競合に追い越されてしまう可能性が高いでしょう。
リスティング広告で成果を出し続けるには、運用における課題点を分析し、適切に改善していく必要があります。
本記事では、リスティング広告分析の基礎と改善方法を徹底解説していきます。
分析の基礎を学び、リスティング広告の成果を改善していきたい方はぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告の分析手順
リスティング広告を改善する際の、4つのステップについて解説していきます。
1.効果計測
まず初めに、現状の広告効果を計測します。リスティング広告には「表示回数」、「クリック数」、「コンバージョン率」など、重要な指標がたくさんあります。これらの数値を見て、効果を測定していきます。
※他の重要な指標やそれぞれの意味は後ほど解説いたします。
2.分析対象指標の決定
続いて、分析の対象指標を決定します。広告配信の目的によって、改善すべき指標が異なります。
例えば、会社を覚えてもらうための認知を目的とした広告であれば「表示回数」に注目する必要がありますし、売上拡大を目的とした広告であれば「コンバージョン」や「コンバージョン値」などに注目する必要があります。
したがって、今配信している広告は何を目的としたものなのかを明確にした上で、その結果を表している指標を分析対象に決定します。
3.指標の比較
指標が決定すれば、次はそれを比較していきます。
指標の比較は基本的に以下6つが対象になります。
①アカウント
まず一つ目はアカウント全体の数値を比較します。リスティング広告で言えばGoogleとYahoo!がありますので、どちらも配信していればそれぞれの数値を見比べます。
例えば、数値が以下の図のように出たとしましょう。
アカウント | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | 平均クリック単価 | 費用 | コンバージョン | コンバージョン率 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
120,000 | 1,000 | 0.83% | ¥200 | ¥200,000 | 85 | 8.50% | ¥2,353 | |
Yahoo! | 100,000 | 800 | 0.80% | ¥188 | ¥150,000 | 50 | 6.25% | ¥3,000 |
分析対象指標をコンバージョンにしたとすると、「コンバージョン」、「コンバージョン率」、「コンバージョン単価」のどれを見てもGoogle広告の方が成果が良いのがわかります。
②キャンペーンの数値
キャンペーンを比較します。
キャンペーン | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | 平均クリック単価 | 費用 | コンバージョン | コンバージョン率 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | 230,000 | 5,000 | 2.17% | ¥20 | ¥100,000 | 130 | 2.60% | ¥769 |
B | 250,000 | 7,000 | 2.80% | ¥14 | ¥100,000 | 100 | 1.43% | ¥1,000 |
上記の場合、キャンペーンAの方が、キャンペーンBよりも多くコンバージョンが取れていますし、コンバージョン単価もBより安い数値になっています、
③広告グループの数値
広告グループを比較します。
広告グループ | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | 平均クリック単価 | 費用 | コンバージョン | コンバージョン率 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
X | 50,000 | 1,000 | 2.00% | ¥20 | ¥20,000 | 20 | 2.00% | ¥1,000 |
Y | 100,000 | 2,000 | 2.00% | ¥15 | ¥30,000 | 10 | 0.50% | ¥3,000 |
Z | 150,000 | 4,000 | 2.67% | ¥13 | ¥50,000 | 70 | 1.75% | ¥714 |
この表を見ると広告グループYのコンバージョン単価が明らかに高いのがわかります。
ここではYの広告グループを選択しましたが、費用やコンバージョン率、クリック単価を見て、広告全体に与えている影響が大きそうなものを深掘りしていきます。
④キーワード
キーワードごとの数値を比較します。
①〜③と同じように分析対象の数値をみて、成果の出ていないワードを見つけます。
⑤検索語句
検索語句ごとの数値を比較します。
ここでは、数値の良し悪しに加えて、どういった検索ワードに対して広告が表示されているかを把握しておきましょう。
⑥過去の数値
前期間の数値と比較します。
キーワードやキャンペーン構成を変えていないのに成果が落ちている場合は、競合や季節など外的要因が働いている可能性があります。
4.課題の抽出
数値が比較できたら、そこから課題を抽出します。
例えば、キーワードを比較した際に、クリック数は多いのにコンバージョンが少ないワードがあったとします。ユーザーにクリックされているにも関わらず、コンバージョンに至っていないということは、キーワードとサービスに異なる点があったと考えられます。
したがって、この場合は課題はキーワード設定(=ターゲット設定)ということになります。
成果の悪いキーワードを停止したり、自社のサービスにマッチしたキーワードを追加することで改善できます。
また、過去の数値と比較した際に数値が悪化している場合があったとします。過去と現在で費用やキーワード等を変更した場合は、そこに原因があるかもしれませんし、変更がなかった場合は、外的要因があると考えられます。
このように、分析数値を比較することで解決するべき課題を抽出します。
リスティング広告運用で分析すべき重要な指標
ここでは、分析すべき8つの指標をそれぞれ解説していきます。
表示回数(IMP)
表示回数 とは、広告がユーザーに表示された回数を指す指標で、広告がそれだけのユーザーにリーチしているのかを表す数値になります。
インプレッション数はローマ字で「IMP」と表記される場合もあります。
表示回数が少なければ、広告がクリックされる可能性も低まるので、チェックすべき重要な指標になります。
広告の表示回数を増やすためには、以下のような対策があります。
クリック数(CT)
クリック数 とは、広告がユーザーによってクリックされた回数を指します。
ローマ字では「CT」と表記することがあります。
クリック数を増やすためには、以下のような施策があります。
クリック率(CTR)
クリック率(CTR)とは、広告が表示された中で、クリックされた割合を指します。
クリック率は以下の計算式で割り出せます。
CTR = クリック数÷表示回数×100
表示回数の割にCTRが低い場合は、ユーザーの検索意図とサービス内容が一致していないことやユーザーの興味をひく広告文が設定されていない可能性があります。
クリック率を上げるためには、以下のような施策があります。
コンバージョン(CV)
コンバージョン(CV)とは広告主が設定したアクションをユーザーがした回数になります。
例:クリック/購入/アプリダウンロード/お問いわせ
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率とは、広告をクリックしたユーザーの中でコンバージョンに至った割合を指します。
コンバージョン率は以下の計算式で割り出せます。
CVR = コンバージョン(CV)数÷クリック数(セッション数)×100
CVRを上げるためには、以下のような施策があります。
クリック単価(CPC)
クリック単価(CPC)とは、1クリックごとにかかる広告費用のことです。
クリック単価は以下の計算式で割り出せます。
CPC = 広告費÷クリック数
クリック数は広告の掲載順位が高いほど高まる傾向にあります。
掲載順位は「入札単価×品質スコア」で算出されます。
CPCを下げるためには、以下のような施策があります。
顧客獲得単価(CPA)
顧客獲得単価(CPA)は、1コンバージョンを獲得するためにかかった費用のことを指します。
CPAは以下の計算式で割り出せます。
CPA = 費用÷コンバージョン数
CPAを改善するには、上述したCV数とCVRの改善が必要です。
広告の費用対効果(ROAS)
ROASとは、「広告の費用対効果」のことです。
広告費に対してどれだけの売上を獲得できたかを表す数値で100%以上だと利益が発生していることになります。
ROASは以下の計算式で割り出せます。
ROAS = 広告からの売上÷広告費×100
ROASを改善するには、CVRを上げることで定単価でより多くのコンバージョンを獲得する必要があります。
各指標をツールで分析
ここでは、リスティング広告の運用に際して重要な指標の分析に大いに役立つ以下3つのツールを紹介します。
キーワードプランナー(Google広告)
キーワードプランナーとは、 キーワード調査やキーワード選定をすることができるGoogle広告の運用ツールのことです。
具体的には以下の3つの活用方法があります。
- 自社で狙っていきたいキーワードの相場を確認
- 競合が少ない穴場のキーワードを見つける
- 新しいキーワードを見つけること
Microsoftクラリティ
Microsoft社のClarityは、ユーザーがWebサイト上でどのような行動しているか可視化できる無料のヒートマップツールです。このツールを使ってLPの改善ができれば、コンバージョン率を高めることができます。
具体的には以下の2つの活用方法があります。
- 離脱が増える位置にCTAを設置する
- クリック率からユーザーニーズを特定する
スクロールヒートマップでユーザーが離脱しているポイントを把握したり、LP内のクリックからユーザーニーズを特定することで、LPを最適化することができます。
シミラーウェブ
シミラーウェブでは、調査したいwebサイトのURLを入力するだけで、そのサイトの訪問者数や参照サイト、検索キーワードなどがわかるツールです。
具体的には以下の2つの活用方法があります。
- 自社と競合にあたる企業の発見と調査
- キーワードを分析しリスティング広告やSEOに役立てる
シミラーウェブを使えば競合分析をより詳細にできるだけでなく、キーワードの訪問数や流入数、訪問キーワードが一覧で表示されることから、リスティング広告に有効活用することができます。
リスティング広告の運用改善策
ここでは、具体的な改善策をいくつかご紹介いたします。
KWの精査
キーワードの精査はリスティング広告の効果改善に役立ちます。
キーワードを最適化することは、ターゲットを最適化することと同じです。適切なターゲット設定ができれば、効率的な広告配信が可能で、CPAを改善することができます。
具体的には、キーワードプランナーで競合の少ないキーワードを見つけ出したり、クリック率の低いキーワードとそれに類似するキーワードを停止するなどがあります。
また、検索クエリを見て、自社サービスと関係のないキーワードを除外キーワードとして追加することで、無駄な広告費を削減することも効果的です。
広告文の見直し
広告文がリスティング広告に及ぼす影響は非常に大きいです。
広告文を変更することでCTRを20%向上させた例もあります。
広告表示オプションの見直し
広告表示オプションもCTRやCPCに大きな影響を与えます。
一見目立たない機能に見えますが、ユーザーにより詳細な情報を伝えたり、広告の表示領域を拡大させる効果があります。
もし、設定していない広告表示オプションがあれば、設定するだけで掲載順位やクリック率を改善できる可能性があります。
入札戦略の見直し
入札戦略とは、広告出稿の目的に合わせて、その効果が最大となるように広告オークションの入札価格を設定することです。
入札戦略にはいくつか設定があるのですが、その中で「コンバージョン率の最大化」に設定している場合、クリック単価が高騰することがあります。
広告配信をすることで何を得たいかを明確にして、それに合わせた入札戦略を設定すれば、CPCの改善につながります。
まとめ
今回はリスティング広告の分析方法と改善方法について解説しました。
以下の点に注意しながら、今回ご紹介した方法で分析をすれば、改善点を洗い出すことができると思います。
- 広告の目的に合わせて分析指標を設定する
- ツールを活用する
また、GoogleやYahoo!を使って実際に検索してみて競合の広告がどのように表示されるかを確認しておくのも一つの方法です。
ぜひ一度、こちらの記事を参考に現在の運用を見直してみてください。
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