無料リスティングとは？無料なのに売上に繋がる！設定方法と注意点

2020年10月からGoogle 無料リスティングが日本で実装されました。無料でユーザーとの接触機会を増やすことができる魅力的な機能です。
しかし、まだ始められていない人、詳しくない人でGoogle 無料リスティングの運用において以下のお悩みをお持ちの人は少なくありません。。

• 「名前は知っているけど、使う価値はあるの？」
• 「一応設定してみたけど、効果はイマイチ感じられない…」
• 「そもそも無料リスティングって何？」

特に、インハウスや副業でECサイトを運営している方やショッピング広告を出稿している方で、無料リスティングを適切に設定できていない場合は、大きな機会損失をしている可能性があります。また、競合が無料リスティングを掲載している場合は、競争優位性を取られる可能性も考えられます。

本記事では、「無料リスティングの掲載方法」と「注意点」について無料リスティングの成果を最大化できるよう詳細に解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

そもそも無料リスティングとは？

Google無料リスティングとは、Googleサービス上に無料で商品を掲載できる機能です。

日本では現在、「ショッピングタブ」でのみ、無料リスティングを掲載できます。

以前のショッピングタグには、「ショッピング広告」のみ掲載されていましたが、2020年10月から「ショッピング広告」に加え、「無料リスティング」が掲載されるようになりました。

画像引用元：ショッピングタブの無料リスティング

ユーザーが、掲載された「無料リスティング」の商品をクリックすると、広告主のwebサイトへの遷移、購入が可能です。

無料リスティングの仕組み・費用

無料リスティングは、広告主がGoogle Marchant Centerに登録した商品の中から、ユーザーの検索にマッチしたものが掲載される仕組みになっています。

無料リスティングを掲載するにはGoogle Marchant Centerに商品情報を登録する必要があります。ここで登録した商品情報とランディングページ情報をもとに、ユーザーに掲載される商品が決定されます。

運用をしていく上で追加の有料オプションなどは無く、完全無料で広告を掲載することができます。

しかし、登録された情報が誤っていたり不十分だと、商品を買ってもらいたいターゲットに対して適切なアプローチをすることができなくなります。

無料リスティングの配信面はどこになるのか？

ショッピングタグにおける無料リスティングは、検索画面上部に表示されるショッピング広告の下部に表示されます。

画像のように、無料リスティングの枠はかなり大きいです。そこで商品画像、商品名、値段、商品特徴等を伝えることができるので、有効活用できれば売上向上が見込めます。

無料リスティングとショッピング広告との違いは？

無料リスティングとショッピング広告には、大きく異なる点が2つあります。

• 掲載順位を決定するアルゴリズム
• 掲載される場所

それぞれ詳細に解説していきます。

掲載順位を決定するアルゴリズムの違い

ショッピング広告の掲載順位は、広告予算と入札額により決定される仕組みになっています。したがって、費用を多くかけられる広告主が上位表示を獲得できるアルゴリズムとなっています。

それに対し無料リスティングの掲載順位は、検索語句と広告の関連性だけで決定される仕組みになっています。完全に無料で掲載できるので、広告費の勝負そのものが存在しません。したがってGoogleから、ユーザーにとって最も必要と判断された無料リスティングが上位に表示されます。

掲載される場所の違い

ショッピング広告は、ショッピングタグの他に、Google 検索、Google 検索パートナー サイト、Google ディスプレイ ネットワークにも表示されます。
それに対し、無料リスティングはショッピングタブのみに表示されます。

無料でショッピング広告が出せるようになったわけではないので、その点に注意しましょう。

コスパよく出品したい方へ！　その他なるべく費用をかけずに出品する方法

ネット上で商品を出品できる媒体として代表的なものをいくつかピックアップして、それぞれを比較した表が下記になります。

媒体	費用	配信面	数値分析・改善	出品難易度
無料リスティング	◎	◯	◎	◯
ショッピング広告	△	◎	◎	◯
base	◯	◯	◯	△
ショッピファイ	◯	◯	◯	△
Amazon	△	◎	◎	△
楽天	△	◎	◎	△
メルカリ	◯	△	△	◎

それぞれにメリットデメリットがあります。自社商品をどのようなターゲットにどのような見せ方で販売するかを意識して、適切な媒体を使用しましょう。

無料リスティングの設定方法は？

無料リスティングの大枠での流れは以下の4つの手順を踏みます。

1. Google Marchant Centerへの登録
2. 商品情報の設定
3. 商品の出品
4. 無料リスティングの改善

ここではGoogle Marchant Centerへ、まだ登録できていない方、登録済みの方それぞれの説明をしますが、必要がなければ以下リンクを選択し読み飛ばしてください。

• マーチャントセンター未登録の場合
• マーチャントセンター登録済みの場合

マーチャントセンター未登録の場合

マーチャントセンターに登録をしていない場合、アカウントの開設と商品登録をする必要があります。具体的に、以下の4つのSTEPにわけてご説明いたします。

1. STEP.1：マーチャントセンターにサインアップ
2. STEP.2：ビジネス名を入力
3. STEP.3：ショップ情報と管理者情報を登録
4. STEP.4：商品情報の登録をします

STEP.1：マーチャントセンターにサインアップ

無料リスティングを開始したいGoogleアカウントでサインアップし、マーチャントセンターアカウントを作成します。

サインアップURLはこちら：Googleマーチャントセンター

STEP.2：ビジネス名を入力

STEP.3：ショップ情報と管理者情報を登録

STEP.4：商品情報の登録をします

商品数が多い場合は、「ファイルをアップロード」から進めると、まとめて商品情報を登録できます。ここで使用するファイルの作成方法はGoogleヘルプをご参照ください。

カートとの直接連携方法

Google Merchant Centerは、特定のカートシステムと連携することができます。

連携しておくと在庫や価格など、最新の商品情報を保持することができます。情報更新の工数を省け、審査に落ちてしまうという事態を避けることができます。

ここではshopifyストアの連携方法を以下の3STEPで解説していきます。

1. STEP.1：shopifyの「販売チャネル」から「Google」をクリックし、表示されるアプリをインストールします。
2. STEP.2：アカウントの選択画面からマーチャントセンターのGoogleアカウントを選択しGoogleアカウントを連携します。
3. STEP.3：商品フィードの設定上で、配送設定を「自動」に設定します。

以上の3つのSTEPで商品情報を自動更新することができます。

マーチャントセンター登録済みの場合

すでにショッピング広告を配信していて、商品情報をマーチャントセンターに登録している場合は、設定を変更するだけで無料リスティングを開始することが可能です。

設定手順として、以下2つのステップを紹介します。

1. STEP.1：ショッピング広告を配信しているアカウントでマーチャントセンターにログインします。そこで、「プログラム管理」タブで「無料リスティング設定」を確認します。
2. STEP.2：設定がアクティブでない場合は、「税金」、「配送」、「ウェブサイト」、「商品」それぞれの設定を行い、開始します。

無料リスティングにおけるデータフィードとは？

データフィードとは無料リスティングにおいて商品情報やデータを構造化された形式でGoogleに提供する仕組みです。

データフィード登録を介して商品についての定性的な情報をGoogleに伝え、適切なターゲットにリーチができるよう登録する必要があります。

データフィードの記載項目とは？

ここでは、データフィードの項目を全て下記の表にまとめましたので、設定をする際にご活用ください。

データフィードについては全商材共通の項目と、商材によって設定が必要になる項目があります。

全商材共通のデータフィード項目

項目	詳細	記入例	必須or推奨
ID	商品IDを入力します。商品を判別するものになるので、重複は避けましょう。	1	必須
タイトル	商品の名前を入力します。LPの情報と内容が異なると広告評価が下がるので、一致させましょう。	OOT-シャツ	必須
商品リンク	商品のLPやサイトにつながるリンクを入力します。	http://OOO×××	必須
商品画像リンク	商品の画像URLを入力します。	http://OOO×××	必須
価格	商品価格を入力します。	1000JPY	必須
商品説明	商品の説明を入力します。LPの情報と内容が異なると広告評価が下がるので、一致させましょう。また、掲載順位に影響する部分になるのでターゲットを意識したテキストを入力しましょう。		必須
在庫状況	「在庫あり」「在庫なし」「予約」「入荷待ち」から選択します。「予約」と「入荷待ち」は予定日の入力も同時に行います。	in stock	必須
ブランド	ブランド名を入力します。ない場合は、入力不要です。		必須
GTIN	商品のGTIN(国際取引商品番号)を入力します。割り当てられていない場合は不要です。		GTINが割り当てられている場合は必須
MPN	メーカーが割り当てたMPN(製品番号)を設定します。GTINがない場合は、全商品で必要になります。		必須
追加の商品画像リンク	商品画像URLを追加で入力します。	http://OOO×××	推奨
Google検索インデックスのリンク	Googleが使用するURLを入力します。	http://OOO×××	推奨

商材によって設定が必要になるデータフィード項目

上記に共通項目に加え、商材によって設定が必要になる項目があります。

項目	詳細	記入例	必須or推奨
マルチパック	商品の個数を入力します。同じ商品をまとめて販売する場合、入力が必要な項目になります。製造段階でマルチパックになっている場合は不要です。	3	同一商品をまとめて1つの商品として販売する場合は必須
一括販売	「はい」、「いいえ」から選択します。異なる商品を一括で販売する場合は「はい」。製造段階でマルチパックになっている場合は「いいえ」。	はい	一括販売をする場合は必須
色	商品の色を入力します。商材がファッション類、アクセサリー類の場合のみ入力が必要です。	black	ファッション・アクセサリー類は必須
サイズ	商品のサイズを入力します。	L	ファッション・アクセサリー類は必須
サイズ表記/タイプ	サイズの基準としている国を入力します。		ファッション・アクセサリー類は必須
性別	商品の対象とする性別を入力します。	women	ファッション・アクセサリー類は必須
年齢層	商品の対象年齢を入力します。	kids	ファッション・アクセサリー類は必須
送料	国、配送地域、サービス、価格、発送準備時間、お届け日数を入力します。		Google Merchant Center のアカウントで設定した送料とは別で設定する場合は必須
税金	国、地域、税率、発送税を入力します。		Google Merchant Center のアカウントで設定した税金とは別で設定する場合は必須
柄	商品の柄を入力します。		推奨
素材	商品の主要な素材を入力します。		推奨
商品グループID	商品のグループIDを入力します。商品にサイズや色の種類がある場合は必要です。		推奨
状態	「新品」、「中古品」、「再生品」から選択します。中古品の場合は必要です。	new	中古品の場合必須

データフィードのテンプレート

商品：T-シャツ

項目	記入
ID	1
タイトル	OOT-シャツ
商品リンク	https://shop.×××/wwww.OOO1
商品画像リンク	https://shop.×××/wwww.OOO1
価格	1000JPY
商品説明	OOT-シャツが数量限定販売！通気性が抜群で暑い夏にピッタリ
在庫状況	「in stock」(在庫あり)
ブランド	OOスポーツ
MPN	1122334455
追加の商品画像リンク	https://shop.×××/wwww.OOO1
Google検索インデックスのリンク	https://shop.×××/wwww.OOO1
状態	「新品」(new)
色	white
サイズ	S
送料	150JPY

スプレッドシートでもテンプレートを用意しているので適宜コピーして、使用してください。

参考URL:データフィードのテンプレート

無料リスティングのトラフィックレポートはある？

無料リスティングでは、ショッピング広告と同様にトラフィックレポートを確認することが可能です。

マーチャントセンターの「掲載結果」から「マイレポート」タブを選択します。

表示回数、クリック数、クリック率などの数値を商品ごとにトラフィックすることが可能です。

Googleアナリティクスでの計測

Googleアナリティクスを使うと、マーチャントセンターよりも細かいトラフィックを計測することができます。
Googleアナリティクスを活用したい場合は、以下のようにパラメータを設定することで計測を開始できます。

link]：無料リスティング用パラメータを付与したURL

[ads_redirect]：ショッピング広告用パラメータを付与したURL

詳しくは、Google Marchant Center ヘルプ内のウェブ解析ツールのベスト プラクティスをご覧ください。

また、これらのパラメーターを設定していない場合、Googleアナリティクス上にはgoogle/organic（自然検索）として数値がカウントされます。

無料リスティングの運用改善できる？方法は？

ここでは、無料リスティングの効果を改善する方法をお伝えします。

結論から言うと、「ユーザー」と「媒体」からの信頼性を高めることが、効果の改善に繋がります。それぞれから、「信頼されるショップ」にすることができれば、検索結果の上位に自社の商品が表示される可能性が高まるからです。

「ユーザー」と「媒体」に信頼されるには、それぞれどのような施策が有効であるかをご紹介いたします。

対ユーザーの改善施策

対ユーザーの信頼を獲得するには、主に「タイトル」と「説明文」が重要な項目になります。

タイトル

無料リスティングの配信システムでは、「商品タイトル」や「商品情報」からデータを読み取り、配信の判断材料としています。また、ユーザーは自らが検索したワードがタイトルに入っている商品を選ぶ傾向にあります。したがって、今設定しているタイトルに、ユーザーによって検索されやすいワードが入っているか確認しましょう。

例）
× 改善前：ABCスニーカー
◯ 改善後：ABCスニーカー/ホワイト/メンズ/26cm

上記のように、ユーザーが欲しい情報や商品の特徴を記入する必要があります。

説明文

　説明文は、ユーザーが商品を選ぶ際の判断材料になります。なので、【】を使用して商品特徴を強調したり、解決できる課題を記載することで、ユーザーの興味をひく説明文を作成することが重要です。

また、説明文は冒頭しか読まれないことが多いため、冒頭で強調したいワードを強調することがおすすめです。

例）
× 改善前：OOから新デザインが数量限定で販売開始。〜〜〜〜〜〜〜
◯ 改善後：【新発売】【OO着用モデル】【数量限定】OOから新デザインが登場。~~~

対媒体の改善施策

対媒体の信頼を獲得するには、主に「記載項目の増加」と「LPの利便性」が重要な項目になります。

記載項目数の増加

先ほどデータフィードで記載したとおり、商品を登録する際には商品名や価格など登録できる属性が多数あります。
Googleはこれらの情報から信頼スコアを設定しています。

信頼スコアとは、Googleが配信されている無料リスティングに対して決める点数のことです。
Googleから高い信頼スコアを獲得することができると、掲載順位が上がり、自社の無料リスティングがユーザーに表示されやすくなります。

したがって、商品情報は記載できる項目はすべて記載すること、それぞれに誤りがないように適切に記載することが重要になります。

LPの利便性

商品のランディングページの利便性も信頼スコアに反映されます。

「ページとデータフィードの情報が違う」、「ページがみにくい」、「決済情報が記載されているか」などが信頼スコアに反映されます。

具体的な導入事例の紹介

驚くのが、どの事例も導入前、つまり無料で登録していなかった状態からの比較になります。無料で登録できる無料リスティングについては設定して損はないでしょう。

事例①：アパレルのECショップ

様々なブランドを多数取り扱う、アパレルECサイトの事例です。

無料リスティングの月間データ

KPI項目	数値
インプレッション	51.2万
クリック数	2,880
クリック率	0.6％

運営しているECサイトへのアクセスが月に2,880件獲得できています。アパレル業界の一般的なコンバージョン率は1.5％なので、広告費をかけずに約40件の購入を獲得できたと考えられます。

事例②：インテリアのECショップ

家具全般を取り扱うインテリアのECショップの事例です。

無料リスティングの月間データ

KPI項目	数値
インプレッション	260,300
クリック数	1,584
クリック率	0.6%

運営しているECサイトへのアクセスが月に1,584件獲得できています。インテリアやアパレル等の業種は、ショッピングタグからの購入が多い傾向にあるため無料リスティングにおいて高い成果が出ると言われています。

自社でこれらの商材を扱っている場合は、ぜひ無料リスティングを初めて見るのがおすすめです。

事例③：スポーツ用品のECショップ

テニス用品を専門で取り扱うECショップの事例です。

無料リスティングの月間データ

KPI項目	数値
インプレッション数	230,000
クリック数	1,322
クリック率	0.6%

運営しているECサイトへのアクセスが月に1,322件獲得できています。ターゲットが絞られているニッチな商材でも、これだけ多くのユーザーを集めることが可能です。

まとめ

• Google無料リスティングとは、Googleサービス上に無料で商品を掲載できる機能のこと
• 無料リスティングは、ユーザーの検索にマッチしたものが掲載される仕組みになっている
• データフィードを登録する必要がある

無料リスティングは無料で始められて、売上拡大に大きく貢献する可能性がある機能です。

ターゲットにしっかりと届く配信ができれば、ユーザーとの接点を増やしたり、マーケティング改善のためのデータを収集でき、コンバージョン獲得に繋がります。

実際に多くの EC サイトが導入しているので、企業間競争で負けないためにも、始めない手はないといえますね。

また、無料リスティングは入札調整などのチューニングなどがない分、一般的な広告運用よりも少ない工数で配信することが可能です。ぜひ無料リスティングを始めてみてください。

無料リスティングで不明点がございましたら、下記フォームからお問い合わせください。