リスティング広告のよくある課題と改善事例を徹底解説
- 「リスティング広告を運用しているが、成果がなかなか向上しない・・・」
- 「具体的に何が課題になっているのかわからない」
- 「施策の改善を行いたいのに何をすれば良いか不明。方法は?」
リスティング広告について、このようなお悩みはないでしょうか?
リスティング広告を改善する際には、目的に対して今どのような状況なのかを判断する基準を明確に定義した上で、その基準をクリアするための改善施策を打っていく必要があります。
リスティング広告を活用し、自社の商品やサービスの集客を行っている企業は多数存在しますが、競合の存在によってなかなか成果を出せずに苦労している企業も多いのではないでしょうか。
自社の広告を改善せずに競合が独占している状況だと、重要な集客チャネルの一つであるリスティング広告で取れるはずのユーザーを逃すことになります。
つまり、広告の使い方一つで商品やサービスの売上が変わってきます。
本記事では、リスティング広告におけるよくある課題はもちろん、成果を改善するための流れや確認すべき効果測定項目、改善の打ち手や事例などについても解説していきます。
また、リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに合わせて広告が表示されるため、コンバージョンの確度が高いユーザーへのアプローチに適しています。
活用方法を実践すれば、自社の商品やサービスの集客はもちろん、コンバージョンも追えるため、最終的な売上や利益の向上も狙えます。
執筆は、SNSマーケティングや広告運用を専門としたメディアを運営している、MarkeInsight編集部が担当しています。
リスティング広告の課題や改善方法について知り、より広告の結果を改善したい方はぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告の結果を出せない人が陥りやすいポイント
まずはリスティング広告の結果を出せない人が陥りやすいポイントについて、以下6点紹介していきます。実際運用する中で、これらが当てはまっていないか注意しつつ見ていきましょう。
目的が不明確
リスティング広告の改善施策を検討する前にひとまず手を止めてみて、一度リスティング広告を運用する目的を確認しましょう。
この目的が明確に定義されていない場合、「意図の無いABテストで、数値が良い方のキャンペーンを残す」「クリック率を高める」「品質スコアを向上させる」など局所的な数値の改善に陥ってしまうケースがほとんどです。
- リスティング広告を運用することで、達成したい本来の目的はなんでしょうか?
- またどのような状態になれば、目的を達成できたと定義できるでしょうか?
この2つの質問に答えることができれば、見るべき指標や改善すべき課題が見えてきます。
例えば、「売上の最大化」を目的としてリスティング広告を運用している場合、クリック単価を上げて多くのユーザーを獲得した方が、目的の達成に近づくケースは往々にしてあります。ここでただ数値の良し悪しだけで判断し、「クリック単価を下げよう」といった施策を実行してしまうと、目的と真逆の打ち手を行うことになります。
このように、目的が明確でなければ単純な数値の良し悪しでしか運用を行うことができないため、まずは目的を今一度見直すところから始めてみましょう。
予算が足りない
リスティング広告にかかる費用が高いものの、コンバージョン件数も高い場合は少なくありません。その場合は、想定していた予算よりも増やすことも検討することをおすすめします。
なぜなら、もしCPAが目標をクリアしている場合は、予算を節約して機会損失するよりも、予算を拡大して売上アップにつなげたほうが効果的であるためです。費用対効果は重要な指標ですが、従来の目的を見失わないようにしましょう。
また、予算が多ければ多いほど取れるデータ量も増えてくるため、改善施策の検討が行いやすく、ABテスト等も実施しやすいです。
リスティング広告へ予算をさらに投下したい場合は、社内で予算を増やせないかどうか検討してみましょう。
そして、社内で実施している施策から、リスティング広告へ予算移行できるものがないか調整を行うと予算増加へスムーズに進む可能性があります。
媒体間で数値を比較し、リスティング広告より見込みがない媒体がないか、無駄な予算を際ていないか今一度見直しましょう。
キーワードが十分に入稿されていない
設定しているキーワードを確認してみましょう。
まず、「検索ボリュームが少ない」とステータスが表示された場合、特殊なキーワードやニッチなキーワード、またはユーザーがあまり使用しないキーワードを登録している可能性があります。
加えて、「検索ボリュームが少ない」のステータスが複数のキーワードに当てはまっていないか見てみましょう。この場合だと、そもそもユーザーに広告表示される機会が少ないです。せっかく広告文や広告見出しを複数パターン追加・検証していても、そもそも表示されず機会損失に繋がってしまいます。
また、キーワードは登録数の基準はなく、規模の大きいアパレルなどのECサイトであればキーワード数は10万を超えますし、逆に規模の小さいニッチなサービスであればキーワード数は100個前後になります。
そして配信当初など、積極的にいろいろな検索語句を拾っていきたい段階であればビッグワードやマッチタイプを部分一致にして複数登録していく必要があります。一方で、ターゲットが明確に定まっている段階であれば、ビッグワードやマッチタイプを部分一致にしての登録は行わなくても問題ありません。
やはり目的次第で打ち手は変わってくるため、どうすべきか迷った時は目的に立ち返りましょう。ここで「ただ数値が悪いから対象のキーワードを停止する」ような変更を行っていると、いつまで立っても目的達成に近づかず、明確な改善の施策も見つからないような状況が続きます。
LPや広告ぶんが充足されていない
広告文やLPの充足を行いましょう。
まず広告文を複数用意して、どの広告文の反応が良いか検証できる環境を作っておきましょう。ユーザーが商品やサービスに惹かれるような文章を作成する必要があります。また設定しているキーワードに合った広告文になっているか、ランディングページで訴求しているような内容とズレが生じていないか注意しましょう。
ただ、広告文はあくまでランディングページまでの集客でしかなく、ランディングページでコンバージョンするかどうかが決まる場合がほとんどです。
ランディングページで訴求している内容が広告文と関連しているか、ECサイトだと注文のページは情報入力しやすいか、リードフォームだとスムーズに申込みが行えるような設計になっているか、サイトの速度表示は速くユーザーがストレスを感じないものになっているか等を確認しましょう。ランディングページに不備がありユーザーが離脱してしまうような内容だと、せっかく集客したユーザーやかかっている広告費を無駄にすることとなりますので、注意しましょう。
これらはCTRやCVRに大きく影響を及ぼしているため、まず上記の点に問題がないかを見直していきましょう。
広告表示オプションが充足されていない
設定が必須ではないため、利用されてない広告アカウントも多くあります。実際どこから設定するのかもわからないという方も多いかもしれません。ただ、この広告表示オプションは上手に活用すれば、より成果の改善へとつながります。
広告表示オプションには広告文だけでは訴求しきれないことを追加してユーザーにアピールできる他、広告の掲載結果や広告の評価にも影響を及ぼします。特に以下のような3つのメリットがあります。
- クリック率の向上
- コンバージョン率の向上
- 掲載順位(広告ランク)の向上
活用することができれば非常に強力なオプション機能となるため、まだ設定していない方は、すぐに設定してみましょう。
CV設定が行われていない
CV設定を行うことにより、適切なPDCAサイクルを回すことができます。
なぜかというと、広告キャンペーンの効果を定量的に把握することができるからです。これにより、コンバージョン率が良いか悪いかをデータとして図ることが可能となります。
たとえばCV設定を行っていないと、コンバージョンの実数が測れないため「直感を頼りにした広告運用」しかできなくなります。
データに基づいた分析と改善を繰り返すことで、効果的な広告戦略の立案や予算配分の最適化が可能となります。
また、CV設定は事業戦略を立てることにも役立ちます。
コンバージョン数を測定できれば、今月のコンバージョン数、今年のコンバージョン数、それらを前年と比較した際の数値など、様々な数字が見えてきます。
そして今月の売上や過去の売上など、これらの数字は事業戦略を立てるのに欠かせません。
よって、広告主が事業戦略を立てる際の、貴重なデータとなります。
今確認している数値における良し悪しの判断基準も増えることに加え、実際にどの集客チャネルの費用対効果が高いのか・どの集客チャネルの費用対効果が低いのか、最終的に今後はどの集客チャネルに注力していくべきなのかといった判断が行いやすくなります。
CPAが顧客一人当たりの売り上げを下回っていれば、損益分岐点を上回り利益が出ていることになります。
この場合損益分岐点を上回っているため、広告費を増やしてより多くのコンバージョンの獲得を目指すといった戦略が立てられます。また損益分岐点を下回っていれば、広告の改善施策を打ちつつ、ひとまず広告費を削減して他媒体に予算を割くといったリソース配分が可能になります。
リスティング広告の効果改善を行うための流れ
ここからはリスティング広告の効果改善を行うための流れについて、以下の5点を解説していきます。
目標(理想の状態)の決定
改善施策を検討する前に一度手を止めてみて、ゴールを見直しましょう。もし明確な答えが見つからなければ、まず理想の状態を定めるところから始めましょう。決して先に、よく挙げられるような改善施策を実行してはなりません。
なぜならば同じ数値でも、目標次第で良し悪しが決まるからです。
具体例として以下が挙げられます。
- 取り扱っている商材やサービスをどのようなユーザーに届けたいのか?
- なぜリスティング広告での広告配信なのか?
- どうすればターゲットに届けることができるのか?
- 目標が達成したといえる状態は?
広告運用の目標が「運用すること自体」にならないよう、上記のようなゴールを明確に定義し、適切なターゲットへの広告配信を実施しましょう。
現状と理想のギャップを抽出(課題の抽出)
運用の理想の状態を明確に定義したら、現状を鑑みて、達成の妨げとなっている課題を抽出しましょう。
例えば、リスティング広告を用いてリード獲得数を増やすという目標(多くの場合は「コンバージョン」)を設定します。
コンバージョン改善の考え方としては、以下の通りです。
コンバージョン数 = クリック数×コンバージョン率(CVR)
さらにクリック数を増やすためには、「表示回数の増加」や「クリック率を高める」必要があります。
現状の広告数値と目標数値を擦り合わせることで改善点が見つけやすくなります。
このようなフローを経て、現状何が問題となっているのかという「課題」を抽出しましょう。
課題の原因を明確化
課題が抽出できたら、次はその課題の原因を明確化しましょう。課題の抽出段階で、どの指標が目標数値に満ちていないかを洗い出せたかと思います。ここから改善したい数値が、なぜ目標数値に到達していないかを明確にします。
例えば、コンバージョン率が課題だったとすると、コンバージョン率が目標数値に達しなかった理由を見つけましょう。
具体例として、以下のようなケースが想定されます。
- 広告文とLPの訴求内容が一致していない
- LPが市場やトレンドの変化に対応できていない
- LPの構成やコンテンツの質に改善点がある
このように課題の原因を洗い出したうえで、実際に設定している中身を確認し、どこが課題の原因なのかを特定しましょう。
原因に対して打ち手を策定
課題をリスト化し原因が見つかった後は、目標に向けて打ち手を決めましょう。
例えば、広告文とLPの訴求内容が一致していなかったことが原因だったとします。広告文を変更し、LPの訴求内容に沿うものを設定していきましょう。
打ち手を実施
打ち手が決まったあとは、早速実施しましょう。
状況や内容によってすぐ効果は出ることもありますが、一般的にリスティング広告の効果が表れる期間はおおよそ3ヶ月から6ヶ月が一つの目安です。
この期間内はデータを蓄積させるため、PDCAを回しながらテストして、成果が出るポイントと出ないポイントを分析しましょう。
リスティング広告で改善対応後に見るべき6つの効果測定項目
次はリスティング広告で改善対応後に見るべき6つの効果測定項目について、以下でご紹介していきます。
インプレッション
インプレッション数とは、ユーザーに対して広告が表示された回数のことです。「Imp」と表記されることもあり、WEB広告における重要な指標といえます。
インプレッション数が伸びないということは、そもそも検索ユーザーに広告が表示されていない状態です。つまり、リスティング広告の成果が出にくくなるため、キーワードの選定や予算の増額、品質スコアの改善といった対策が求められます。
また、インプレッションシェア率も重要です。インプレッションシェア率とは広告が表示可能だったはずの回数のうち、実際に広告が表示された回数を占める割合のことです。要するに、取れるはずだったが取れなかった表示回数が何%くらいあるのかを確認できます。
実際に該当するキーワードで検索してみて、競合がどのような広告を出しているかを確認してみるのも良いでしょう。
インプレッションシェア率が高ければ、必然的に検索ユーザーへの表示回数が増加するため、改善施策を打った後の効果測定にも活用してみてください。
クリック率
クリック率とは、ユーザーが広告をクリックした回数を(インプレッション)で割った指標です。「Click Through Rate」を略して「CTR」と呼び、以下の計算式で算出することができます。
クリック率(%)= クリック数 ÷ 表示回数(Imp)×100
クリック率が低い場合、ユーザーに広告が見られたものの、クリックされる機会が少なかったということです。出している広告文が、該当するキーワードで検索したユーザーの興味関心を惹くことができていないとも言えます。
例えば、インプレッション数が増加したとしても、リンク先のLPに訪問するユーザーが少ないと、最終的な成果であるコンバージョンに至る可能性も低くなるため、重要な指標です。
クリック率は、検索キーワードと広告文の関連性や、広告文そのものがユーザーにとって魅力的であるかが影響します。また、商材やサービスに合った広告表示オプションが設定されているかどうかも影響するため、クリック率が低い場合は確認してみましょう。
CPC
CPC(Cost Per Click)とは、1クリックにかかる費用のことです。「クリック単価」と呼ばれる指標です。
CPCは以下の計算式で算出されます。
CPC = 広告費÷クリック数
クリック数は広告ランクによって変動します。これは入札単価×品質スコアで算出される仕組みとなっています。そのため、CPCを下げたいのであれば、以下の改善が必要です。
- 上限クリック単価の調整
- 品質スコアの改善
また、競合性の高いキーワードほどCPCが高い傾向にあります。なぜなら、多くの広告主が設定しているキーワードのため、入札単価を高く設定しないと広告枠に表示されないからです。
リスティング広告のキーワードを選定する際は、競合性も考慮して選定しましょう。
CVR
CVR(Conversion Rate)とは、クリックしたユーザーの中で、実際に「資料請求」、「購入」など、広告主がコンバージョンに設定している項目に至った割合を指します。
CVRは以下の計算式より算出されます。
CVR = コンバージョン数÷クリック数×100
CVRが低い場合、「LPの内容が広告文やキーワードとずれている」「コンバージョンに至るまでの導線設計が複雑」などが考えられます。そのため、例として以下の対策が必要です。
- LPの内容を広告文と合わせる
- LPの内容に合致しないキーワードで出稿しない
- CVしやすい導線を設計
ECサイト等では売上に直結する指標となりますので、他の指標と比較しても重要な項目です。数値の変化を注意深く観察しましょう。
CV
CV(コンバージョン)とは広告主がユーザーに対して行ってほしいアクションに至った回数を指します。例えば、「購買」や「お問合せ」、「資料のダウンロード」などが当てはまります。
クリック回数に対して、どれくらいの割合でCVされているか(CVR)を確認することで、集客や売上に繋がりやすいLPになっているのか分析できます。
CVRとセットで確認していきましょう。
CPA
CPA(Cost Per Action)は「顧客獲得単価」を意味しており、1件のCVを獲得するにあたってかかった費用のことを指します。
CPAは以下の計算式より算出されます。
CPA=費用÷コンバージョン数
CPAは低いに越したことはありませんが、各業界において平均CPAがあるため、自社の業界における平均CPAと比較すると現状の良し悪しがわかります。
各業界のCPAは、商品やサービスに対して、顕在的なニーズを持つ顧客の数に依存する傾向があります。そのため、顕在顧客が多ければ多いほどCVにつながりやすく、CPAが低くなる傾向にあります。一方で顕在顧客が少ないようなニッチな業界や商材ほど、CPAが高くなりやすくなります。
業界ごとの平均CPAは以下となります。
業界 | 平均CPA |
---|---|
金融・保険 | 約12,290円 |
医療 | 約11,714円 |
不動産 | 約15,742円 |
法律 | 約12,903円 |
旅行 | 約6,710円 |
BtoB | 約17,420円 |
※引用元はCPAの単位が「$」記載のため、執筆時点(2024年3月現在)の相場「1ドル=150円」で計算
(参照:wordstream)
CPAの改善のためには、上述したようなCVR・CPCの改善が求められます。
リスティング広告の効果が改善されないよくある3つの低迷原因と解決のヒント
ここからは広告が改善されない場合によくある以下3つの低迷原因と、それぞれにおける解決のヒントを解説していきます。
クリック数が少ない
クリック数が少ない場合の基本的な対処は以下の3つです。
- 入札単価を上げる
- 広告の内容を見直す
- ターゲットや配信面を追加する
クリックが少ないとき、単にクリック率が低いのか、表示回数がそもそも少ないのかを見る必要があります。
両方に該当する場合もありますが、どちらにより原因がありそうかを確認しましょう。
もし、クリック率の低さに原因がある場合、広告のクリック率を高めるために広告の内容を見直しましょう。
改善策としては、キーワードと広告文のマッチ率を高めるためにそれぞれの内容を見直したり、広告のアセットに表示回数の多いキーワードを追加するなどが対策として挙げられます。
あるいは、訴求内容をより目を引くもの(例えば、「割引率○○%」「導入実績○○社以上」のように数字を使うなど)も検討してみましょう。
一方、もし表示回数に原因がある場合は、インプレッションシェア損失率(広告ランク・予算ともに)を確認します。
インプレッションシェア損失率(広告ランク)が高い・悪化が進んでいる場合はオークションに負けていることになるので、入札の強化で改善する可能性が高いです。
広告ランク改善のため、先に挙げたような広告内容の見直しも検討します。
この場合、広告を改善すべきかどうかはキーワードの品質を見るとよいでしょう。品質が5以下の場合は広告改善の余地も大きいです。
もしインプレッションシェア損失率(広告ランク)が低い場合は、現在のターゲットに対して十分に表示ができているということなので、ターゲットの追加を検討しましょう。
また、インプレッションシェア損失率(予算)が高い場合は単に設定している予算によって失っているシェアが多いということを示しているため、予算増額を検討しましょう。
CV数が少ない
コンバージョンは成果に直結する重要な指標です。なので、コンバージョン数をKPIとされている方も多いかと思います。
CV数が少ない原因が分からない場合、以下が要因として想定されます。
- コンバージョン率が低い
- クリック単価が高い
コンバージョン率が変わらない場合にコンバージョンを増やす為には、クリック数を増やさなければなりません。クリック数を増やすためにはCPCを下げる必要があります。
逆にクリック単価が変わらない場合にコンバージョンを増やすためには、コンバージョン率を改善するしか方法はありません。
そのためコンバージョンを上げるためにはクリック単価を下げてクリック数を増やす施策やコンバージョン率を上げるための改善施策を取る必要があります。
インプレッションが少ない
広告が表示されない原因として、上限クリック単価(入札単価)が低いことが挙げられます。
リスティング広告が掲載されるかどうかは、「品質ランク×上限クリック単価」より算出される「広告ランク」で決定します。
つまり、広告品質が高くとも、上限クリック単価が低ければ、広告が表示されない可能性があるのです。なので、広告管理画面より各広告の品質スコアを確認しましょう。
品質スコアが高いにもかかわらず、インプレッション数が少ない場合は、上限クリック単価の引き上げでインプレッションの改善ができる可能性があります。
また、「クリック数が少ない場合」の要因にて挙げたインプレッション損失率も解決のヒントとなるため、必ず確認しましょう。
検索広告の成果を改善したいとき打ち手
ここからはリスティング広告の成果を改善したいときの打ち手について、以下の4つを解説していきます。
KWの精査
キーワードの精査を行うにあたって、まずはキーワード調査ツールを用いて検索ボリュームを確認しましょう。
検索ボリュームとは、そのキーワードでどれくらいの回数が検索されているかを表す数値のことです。基本的に月間の検索数を確認することができます。
調査して、極端にボリュームが大きいものや小さいものは設定するキーワードから外しておきましょう。
ボリュームが大きいものを除外するのは、上位表示される可能性が低いためです。検索ボリュームが大きいものはその分人気も高く、入札が高騰する傾向にあります。競合に勝てる見込みがない場合はビッグキーワードは狙わないのが無難でしょう。
ボリュームが小さいもの(月間10回未満など)は設定してもほとんどインプレッションがでないことも多く、効果検証も進みづらく無駄な広告費の消化となりやすいため気をつけましょう。
広告文の見直し
広告文の見直しは、CTRやCVRが低い場合の改善方法として効果的な打ち手です。
特にユーザーが広告をクリックするかどうかは、広告見出しや広告文などの文章内容が影響します。ユーザーの検索意図やニーズに沿った広告文になっていなければ、クリックされる確率は下がる一方です。
また自社よりも他社が魅力的な広告文を掲載していれば、ユーザーもそちらをクリックする可能性が高くなるでしょう。
設定するキーワードを広告文や見出しに入れたり、ユーザーが求めている内容が何かを考えたりして、広告文を見直すことをおすすめします。
そして数値がなかなか改善しなければ、実際に検索してみて競合がどのような内容の広告を打っているか確認してみましょう。
広告表示オプションの見直し
広告表示オプションを活用することで、広告を閲覧したユーザーにクリックを促すだけではなく、ユーザーにとって有益な情報を提供でき、具体的なアクションを促せます。
その結果、コンバージョン率をアップさせることも可能です。
例えば、検索広告に連動して商品価格を表示させることで、ユーザーは遷移先に飛ばなくても具体的な情報を手に入れられます。
このように具体的な情報があることで、ユーザーは実際に購入するイメージやサービスを利用するイメージが湧くなどコンバージョンに至りやすいです。
また文章だけでは説明が難しいお悩み相談のようなサービスでは、検索広告に電話番号を掲載することで、コンバージョン率向上に貢献できるでしょう。
自社の商材やサービスとの相性が良い広告表示オプションは何なのか、今一度見直ししてみましょう。
入札戦略の見直し
入札戦略とは選んだ目標(クリック、インプレッション、コンバージョンなど)に応じて、機械学習を用いて最適な入札を行うように自動で調整してくれる機能です。この機械学習では人の目では確認できないような様々なシグナル(レポートで確認できるものもある)を基にユーザーの状況に合わせて入札単価を調整してくれます。
主なシグナルとして、端末・地域・時間帯・ブラウザ・曜日や時間帯・実際の検索語句やユーザーの行動履歴などが挙げられます。
このように様々なデータを判断し自動最適化を行えるため、人の手では簡単に行えないような細かな調整を実現してくれます。
これも入札戦略で選んでいる目標が、広告配信における目標と一致しているかを確認しましょう。ここにズレが生じると、思うような結果が出ません。
改善事例
ここからは実際の改善事例について解説していきます。
広告文の改善事例
アパレルのEC販促における事例です。
抱えていた課題として「CTRが低く、そもそもユーザーの集客が難しい」という状況がありました。
アパレル業界だと特にこのような課題は見られます。なぜかというとトレンドが季節や時期で移り変わり、扱っている商材の種類(トップスだけでもTシャツ・シャツ・カーディガンなど)も多く、広告文もトレンドを鑑みたものにしなければ集客が難しいからです。この上で広告文の見直しも行っておらず、日に日にCTRは悪化している過去データがありました。
打ち手としてユーザーの検索動向や季節のトレンドを押さえた広告文を複数テストした結果、CTRは2.2倍まで改善し、ECサイト自体の集客数も月間の平均値が2倍まで伸びました。
KWの改善事例
BtoB企業のリード獲得広告における事例です。
抱えていた課題として「実際のターゲットとずれたユーザーからの問い合わせが多い」という点がありました。
それもそのはずで、設定しているキーワードの数が多かったり、部分一致での設定が多々あり、ターゲティングが広く抽象的な状態になっていました。検索語句を確認しても自社のサービスに当てはまらないようなものも見られました。
打ち手としてキーワードの見直しや除外キーワードの設定を行い、キーワードと自社のサービスに関連性を持たせることを重視し最適化を図りました。
結果として、想定されていたターゲットに当てはまるユーザーからの問い合わせが増え、CV数も3倍まで伸びました。
まとめ
- リスティング広告の改善を行うために、まず広告配信の目的を明確にする
- 広告の数値における、良し悪しの判断基準を設ける
- 理想と現状のギャップを明確にした上で、出てきた課題に対するアプローチを打つ
リスティング広告を改善する際には、目的に対して今どのような状況なのかを判断する基準を明確に定義した上で、その基準をクリアするための改善施策を打っていく必要があります。
また、リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに合わせて広告が表示されるため、コンバージョンの確度が高いユーザーへのアプローチに適しています。
これを期にリスティング広告の内容を見直し、自社の商品やサービスの集客はもちろん、最終的な売上や利益を追っていきましょう。
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