TikTokのハッシュタグチャレンジにはどんなメリットがある?費用や事例・種類を解説
TikTokには、さまざまな広告形態が存在します。そのなかの1つである「ハッシュタグチャレンジ」をご存じでしょうか。
ハッシュタグチャレンジは、その名の通りハッシュタグ「#」を利用した広告手法です。商品の訴求だけでなく、知名度アップなどにも活用できます。
柔軟な活用が可能な広告ですが、打ち出すにはある程度の費用が必要です。また、概要や効果的な運用方法を理解していなければ、費用対効果が得られない可能性もあります。
そこで、本記事では、ハッシュタグチャレンジの概要・広告のメリット・効果的な運営方法について解説していきます。
- 概要について知りたい
- 効果的な運営方法について知りたい
- 実際に成功した事例を知りたい
このような考えがある方は、ぜひ最後までご覧ください。
TikTokのハッシュタグチャレンジとは?
ハッシュタグチャレンジは、ハッシュタグを用いた広告形態のひとつです。具体的には、企業が設定したハッシュタグを複数人のユーザーに利用してもらう方法です。
はじめに原本となる動画を投稿し、それを見たユーザーが「チャレンジ動画」として模倣した動画を投稿していく流れとなっています。
連鎖的に動画が拡散され、爆発的に多くのユーザーへ認知されるのが特徴です。運用方法によっては、知名度アップ・新商品のPR・売り上げアップなどに効果が発揮されます。
TikTokハッシュタグチャレンジのメリット・効果
ハッシュタグチャレンジには、さまざまなメリットや効果が期待できます。なかでも代表的な内容は、以下の3つです。
- 多くのユーザーを巻き込める拡散力
- 若者に対する訴求が強い、新規顧客の獲得につながる
- UGCが生まれ、購買行動につながる
各項目についてみていきましょう。
多くのユーザーを巻き込める拡散力がある
ハッシュタグチャレンジは、多くのユーザーを巻き込める拡散力が高いユーザー参加型の広告マーケティングです。
原本となる動画に、著名人やインフルエンサーなどを取り入れることで、より多くのユーザーが真似したいと考えます。
そのようなユーザーが「チャレンジ動画」として動画を投稿すると、フォロワーに広告の存在が認知されます。
さらに真似したいユーザーが増えていき、結果的に多くのユーザーを巻き込んだマーケティングとなるのです。
また、拡散力が高い理由としては、TikTokそのもののアルゴリズムがあげられます。TikTokは、他のSNSに比べて比較的拡散力が強いです。例えば、フォロワー数が重要となるTwitterやインスタグラムでは、あくまでもフォロワーからの閲覧が基本となっています。
その点、TikTokであれば、フォロワー数が少ない状態であっても100人前後の方に閲覧してもらえます。そこに、ユーザー参加型のメリットが追加され、大きな拡散力が生まれるのです。
実際、投稿した企業の動画が、再生回数1億回を突破した事例もあります。このように、ハッシュタグチャレンジは、多くのユーザーを巻き込める拡散力の高い広告手法となっています。
若者に対する訴求が強い、新規顧客の獲得につながる
ハッシュタグチャレンジは、メインユーザーである10代を中心に、幅広い年齢層へ訴求できるといったメリットがあります。2023年現在においても、TikTokのアクティブユーザーは10代がメインです。とはいえ、アカウントを持っているユーザーに目を向けると、20代〜60代と幅広い年齢層が利用しています。
動画を投稿するのは10代がメインですが、動画を見るフォロワーのなかには20代〜60代の年齢層がいるということです。特に、30代のユーザーはリリース当初に比べると増加しています。つまり、Z世代を中心に、幅広い世代への訴求に期待ができ拡大も期待できる広告ツールといえるのです。
また、広告感のない広告を打ち出せるのも強みのひとつです。企業の目的としては、商品の訴求や認知度アップですが、ユーザーからすれば「楽しそうな動画」でしかありません。
「楽しそうな動画」から「気になる」気持ちが生まれ、結果的に購入へのステップにつながります。多くのユーザーがチャレンジ動画をアップしているため、購入へのハードルが下がっているのも大きなメリットです。
結果的に、企業や商品に興味のなかったユーザーが新規顧客となります。
出典:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
UGCが生まれ、購買行動につながる
ハッシュタグチャレンジは、UGCが生まれやすく、購買行動に繋がりやすいといったメリットがあります。
UGCとは、ユーザーによって作り出されたコンテンツを指す言葉です。レビュー動画などもUGCにあたります。UGCは、ユーザーの購買意欲をあげるために欠かせないポイントです。
既知のユーザーが広告感なく商品をPRすることで、商品に親近感が湧きます。また、連鎖的にチャレンジ動画が作成されていくため、スワイプするたびに高頻度で動画が目に入ります。
結果的に、単純接触効果による購買行動へのアプローチにもつながるのです。
TikTokのハッシュタグチャレンジには4種類ある
ハッシュタグチャレンジは、マーケティングの目的によって4種類の方法が利用できます。 4つの主な違いは、保証されているインプレッション数と、発見ページへの掲載期間です。
インプレッション数とは、動画が表示された回数を表す数字です。発見ページへの掲載とは、その名のとおり、発見ページへ掲載される期間を指します。
スタンダードハッシュタグチャレンジ
スタンダードは、一般的に言われているハッシュタグチャレンジです。どの種類を選択してよいか分からない場合は、スタンダードを選ぶとよいでしょう。
項目 | 内容 |
特徴 | 最もスタンダードな広告 |
掲載期間 | 2カ月間 |
保証インプレッション数 | 起動画面広告:650万/日インフィード広告:900万 |
公式動画 | 最大6本 |
発見ページ掲載期間 | 6日間 |
バナー | 奇数日:1枚目→4枚目→6枚目偶数日:2枚目→3枚目→6枚目 |
おすすめハッシュタグ | 奇数日:2枚目→3枚目→6枚目偶数日:2枚目→4枚目→6枚目 |
ハッシュタグチャレンジプラス
ハッシュタグチャレンジプラスは、認知度を上げたい場合に効果的です。ブランドコミュニケションが追加され、より認知度アップに期待ができます。掲載のサイクルが奇数日に限定されているのが特徴です。
項目 | 内容 |
特徴 | 認知度を上げたい企業におすすめの広告 |
掲載期間 | 2カ月 |
保証インプレッション数 | 起動画面広告:650万/日インフィード広告:650万 |
公式動画 | 最大6本 |
発見ページ掲載期間 | 5日間(奇数日のみ) |
バナー | 1枚目→4枚目→1枚目→4枚目→6枚目(奇数日のみ) |
おすすめハッシュタグ | 2枚目→3枚目→2枚目→3枚目→6枚目(奇数日のみ) |
バトルハッシュタグチャレンジ
バトルは、ハッシュタグ同士を戦わせるといった独特の広告方法です。ゲーム性があるので、多くのユーザーに参加してもらいやすいといった特徴があります。
項目 | 内容 |
特徴 | 拡散力が高く、チャレンジ動画を作ってもらいやすい |
掲載期間 | 2カ月 |
保証インプレッション数 | 起動画面広告:650万/日インフィード広告:360万 |
公式動画 | 最大12本(1つのタグで6本ずつ) |
発見ページ掲載期間 | 3日間 |
バナー | ハッシュタグ1:1枚目→2枚目→3枚目ハッシュタグ2:4枚目→4枚目→4枚目 |
おすすめハッシュタグ | ハッシュタグ1:2枚目→2枚目→3枚目ハッシュタグ2:4枚目→4枚目→4枚目 |
ベーシックハッシュタグチャレンジ
ベーシックは、紹介したなかで最も費用のかからない広告です。バナーは表示されないものの、おすすめタグなどにはしっかりと表示されます。初めてハッシュタグチャレンジに挑戦するといった方にはおすすめです。
項目 | 内容 |
特徴 | 初回しか購入できない広告ローコストで運営の感覚がつかめる |
掲載期間 | 2カ月 |
保証インプレッション数 | 起動画面広告:650万/日インフィード広告:330万 |
公式動画 | 最大6本 |
発見ページ掲載期間 | 3日間(偶数日のみ) |
バナー | なし |
おすすめハッシュタグ | 4枚目のみ(偶数日に限る) |
TikTokハッシュタグチャレンジのオプション
ハッシュタグチャレンジには、有料のオプションを付与できます。オプションの種類は以下の通りです。
- クリッカブルスタンプ
- マストバイスタンプ
オプションをつければ、より拡散力や集客力がアップします。費用については別に紹介していますので、そちらをご覧ください。
クリッカブルスタンプ
クリッカブルスタンプとは、動画内のスタンプをタップした際に特定のURLへリンクを貼れるオプションです。動画から公式サイトなどへリーチでき、さらに商品を購入してくれる可能性も上がります。
マストバイスタンプ
商品のQRコードからスタンプがゲットできるオプションです。スタンプはチャレンジ動画を制作する際に使用できます。購買行動につなげる効果があり、動画の拡散に効果が高いです。
TikTokハッシュタグチャレンジのやり方・費用
ハッシュタグチャレンジのやり方や費用について解説していきます。運営に協力してもらう広告ですので、申請に時間がかかったり、広告に大きな費用がかかる点は留意しておきましょう。
ハッシュタグチャレンジを実施するまでの流れ
ハッシュタグチャレンジを実施するまでの手順は、以下の通りです。
- 申請する
(申請が受理されるまでには数日かかるため、余裕を持った申請がおすすめ)
- 広告用の素材や動画を準備する
(広告に必要な音楽データ・ジャケット画像・バナー・エフェクトなどの素材を用意)
- 動画を撮影
(インフルエンサー・著名人に協力してもらい、動画を撮影)
- アップロード
(動画を投稿し、バナーなどを利用してチャレンジ動画のアップロードへ誘導)
手順としては以上で終了です。動画の概要が決まっている場合、動画のアップロードまで約1カ月をめどにしておくとよいでしょう。
TikTokハッシュタグチャレンジの費用
ハッシュタグチャレンジの費用は以下の通りです。ただし、表の金額はあくまでも目安となっています。詳細な金額は、TikTokの運営に問い合わせてみなければわかりません。
項目 | 費用 |
スタンダードハッシュタグチャレンジ | 1,500万円前後 |
ハッシュタグチャレンジプラス | 1,700万円前後 |
バトルハッシュタグチャレンジ | 2,200万円前後 |
ベーシックハッシュタグチャレンジ | 1,000円前後 |
クリッカブルスタンプ | 500万円前後 |
マストバイスタンプ | 500万円前後 |
TikTokハッシュタグチャレンジを成功させる4つのコツ
ハッシュタグチャレンジは、ただ闇雲に作って投稿すれば良いわけではありません。TikTokという媒体を理解し、どのような動画がユーザーに好かれるのかを分析しなければ、費用対効果は期待できないでしょう。
広告を実行するのであれば、以下の4点を意識しましょう。
- 印象に残る楽曲・真似しやすい内容
- 冒頭の数秒を大事にする
- インフルエンサーを起用する
- 運用代行に依頼する
それぞれのポイントについてみていきましょう。
印象に残る楽曲・真似しやすい内容
TikTokは、数十秒の短い動画がメインです。そのため、短いながらも印象に残りやすい楽曲にする必要があります。
また、ハッシュタグチャレンジは、ユーザーに真似をしてもらうのが前提です。そのため、誰でも真似ができる内容にしなければなりません。
ダンスであれば簡単な振り付け、楽曲であれば覚えやすい歌詞などにするとよいでしょう。
TikTokユーザーにささる楽曲を知りたい方は以下の記事を参考にし、選曲してみましょう。
冒頭の数秒を大事にする
TikTokのユーザーは、冒頭の数秒で動画を最後まで見るか判断します。そのため、最初のつかみで「面白い」と思ってもらえるかが重要です。
具体的な数字は、開始から1秒と一瞬のあいだです。ターゲットとなるユーザーは、どのような動画に興味があるのか…といった点を分析するとよいでしょう。
インフルエンサーを起用する
元となる動画にはインフルエンサーや著名人を起用するようにしましょう。なぜなら、インフルエンサーであれば最初の伸びが大きく、2次拡散がより期待できるからです。
さらに、商品のイメージアップや信頼度アップにも繋がります。できれば複数人のインフルエンサーを起用するのが望ましいです。
運用代行に依頼する
ハッシュタグチャレンジを、より確実に成功させたいのであれば、運用代行に依頼するのもひとつの方法です。運用代行であれば、TikTokのアルゴリズムや、流行しやすい動画の傾向を把握しています。
発生する費用は決して安くありません。確実に成功させたいのであれば、企画から撮影までサポートしてくれるプロに依頼するのもよいでしょう。
運用代行については以下の記事を参考にして業者を選んでみるといいでしょう。
ハッシュタグチャレンジと親和性が高い商材
ハッシュタグチャレンジは、相性の良い商材と、そうでない商材が存在します。特に親和性が高いといわれているのが、以下の2点です。
- BtoC商材
- 単価の低い商材
前述の通り、TikTokユーザーのメインは10代です。中高生が多いため、あまり単価の高い商品とは相性がよくありません。相性の良い商材の具体例をあげると、プチプラコスメやお菓子などの低単価商品。または新曲のPRなどです。
BtoBの商材に関しては、TikTokマーケティングが一人のユーザーを対象としたマーケティングですので、そもそものマーケットが異なります。
TikTokハッシュタグチャレンジ|3つの企業成功事例
本項では、ハッシュタグチャレンジの成功事例した企業を紹介します。取り上げるのは以下の3社です。
- 日本マクドナルド
- ドミノピザ
- AGC
各社がどのような戦略で、成功したのかみていきましょう。
日本マクドナルド「#ティロリチューン」
「#ティロリチューン」は、2019年に日本マクドナルドが実施したハッシュタグチャレンジです。広告の目的は、500円バリューセット訴求でした。
ポテトが揚がる際の「ティロリ♪」のメロディーにのせて、簡単な振り付けとともにバリューセットを食べるといった内容です。
- 誰もが知っているメロディー
- 練習すればすぐに習得できる振り付け
- 500円という、中高生にてが届く値段
- インフルエンサーの起用(山之内すずさん・成瀬さん)
本記事で解説した成功のコツを網羅した広告となっており、約1月で5万ユーザーが動画を投稿しています。
ドミノピザ「#ドミノチーズ100万」
「#ドミノチーズ100万」は、ドミノピザが2020年に実施したハッシュタグチャレンジです。ドミノピザの商品である「ウルトラチーズ」の販売訴求として開始しました。
オリジナル楽曲にのせて、ウルトラチーズの伸び具合を表現するといった内容でした。また、チャレンジ動画を投稿したユーザーのなかから「最高チーズ責任者」を任命し、1日ドミノピザで働いてもらう報酬として100万円を支払うといった奇抜な企画も同時にスタート。
撮影時には、実際にウルトラチーズを購入して撮影しなければならず、大きな商品訴求効果が得られました。
AGC「#AGCチャレンジ」
「#AGCチャレンジ」とは、ガラスメーカーの大手であるAGC株式会社が実施したハッシュタグチャレンジです。公式動画として広瀬すずさんを起用したことが話題となり、またたくまにチャレンジ動画が投稿されました。
基本的にtoBの企業であるため、販売訴求ではなく知名度アップを目的としています。結果的に多くのユーザーへ「株式会社AGC」を認知してもらえる結果となりました。
まとめ
ハッシュタグチャレンジは、ハッシュタグを利用して広告を打ち出すTikTokならではのマーケティング手段です。ユーザーを巻き込む広告形態ですので、連鎖的な拡散が期待できます。また、ユーザーとしては面白い動画を視聴している感覚ですので、あからさまな広告といったニュアンスがないのも大きなポイントです。
ただし、ただ闇雲に投稿すれば拡散されるというものでもありません。以下の点を意識して広告を打ち出す必要があります。
- 印象に残る楽曲。真似しやすい内容
- 冒頭の数秒を大事にする
- インフルエンサーを起用する
上記を意識したうえで、さらに確実性を持たせたいのであれば、運用代行に依頼するのもひとつの方法です。決して安くはない広告費用ですので、マーケティングに割ける予算をもとに、しっかりと運用方法を検討しましょう。
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